チャイコフスキーの肉声。初の蓄音機に大興奮

チャイコフスキーの時代は日本でいうと明治時代にかかっています。
そのおかげというかで、科学技術も進んでいて、本人の声が録音された音声データが残っています。

チャイコフスキーと他4人が話しているところです。
4人のうちの1人で商人のジュリアス・ブロックがエジソンの蓄音機を手に入れてチャイコフスキーらに披露している場面のようです。時は1890年。

50歳のチャイコフスキーが最先端のオーディオ機器を前に、試し録音して仲間たちと大興奮している様子に、チャイコフスキーも新しもの好きのおじさんだったのだな、と親近感が湧いてきます。

音声は商人ジュリアス・ブロックのアーカイブからのものだそうです。
13秒くらいから聴こえてきます。
音声はこちら ↓
“Tchaikowsky & Anton Rubinstein & friends(1890).ogg
【和訳】

アントン・ルビンシテイン:素晴らしい機械だ
ジュリアス・ブロック:やっと入手できた
エリザベータ・ラフローフスカヤ:気分悪い。私の名前をこっそり口にしたりして
ワシーリー・サフォーノフ :(歌う)
チャイコフスキー:トリルはもっと上手に
ラフローフスカヤ:(歌う)
チャイコフスキー:ブロックもえらいが、エジソンはもっとえらい
ラフローフスカヤ:(歌う)
サフォーノフ:ドイツ語「モスクワのピョートル・ユルゲンソンです」
チャイコフスキー:いまの誰?
:サファーノフだろう
:(口笛)

エジソンの蓄音機

エジソンが蓄音機を製品として生み出したのが1877年です。
それから3年後にチャイコフスキーが初録音をしたわけです。

「ブロックもえらいが、エジソンはもっとえらい」とチャイコフスキーに絶賛されてエジソンも誇らしいことでしょう。
蝋管式蓄音機の2号機と写るエジソン(1878年4月)
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チャイコフスキー交響曲第4番3楽章さび
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