モーツアルト死の謎。わかっていること。いないこと。

モーツアルトは35歳で亡くなりました。
死因はおそらく病死であろうとされていますが、本人が当時精神的に不安定な状態にあり、「自分は毒殺される」と妻のコンスタンツェに訴えていたことなどから、今もミステリー的に語られることがあります。

病床で作曲し未完に終わった作品が『レクイエム』です。
この曲はある人の依頼によって作られました。

この依頼人がモーツアルトの死と関係するというストーリーで作られた映画が『アマデウス』(ミロス・フォアマン監督、1984年)です。

DVD発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ

ですが、これはまったくのフィクションです。
本当の依頼者はわかっています。

モーツアルトに『レクイエム』作曲を依頼した人物

モーツアルトに『レクイエム』作曲を依頼したのは地方領主のフランツ・フォン・ヴァルゼック伯爵です。  

この伯爵はアマチュア音楽家で、妻の命日のミサのための曲を依頼したのです。
ただ、通常の仕事の依頼ではなく、「自分が作曲したことにして欲しい」というゴーストの依頼で、しかも実際に接触してきたのが使者で身分を明かさなかったこと、そもそも「レクイエム」は鎮魂曲だ
ということで死とつながり、モーツアルトの死をいっそう謎めいたものにしています。

play_circle_filled
pause_circle_filled
モーツアルト交響曲第25番1楽章
volume_down
volume_up
volume_off

映画の挿入曲として使われ不穏な空気をかもしだしました。

関連記事

  1. 神聖ローマ帝国の貴族がベートーベンをつくった

  2. ボロディン作曲『韃靼人(だったんじん)の踊り』もウクライナ由来。

  3. モーツアルト交響曲第36番の「リンツ」38番の「プラハ」はハプスブルク帝国の都市

  4. モーツアルト交響曲第35番「ハフナー」。ハフナー家のための曲

  5. ロシア国立交響楽団[シンフォニック・カペレ]2019

  6. パユ様

  1. モーツアルトと父レオポルト

  2. ベートーベンの弦楽四重奏曲の「ラズモフスキー」の意味

  3. モーツアルトのオペラ「魔笛」はフリーメイソンのための曲

  4. ベートーベンが聴こえなくなったのは何歳?

  5. ベートーベンのパトロン 時代による変遷

  6. ベートーベン 「ハイリゲンシュタットの遺書」

  7. モーツアルトのオペラ。「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「…

  8. モーツアルト死の謎。わかっていること。いないこと。

  9. 小林秀雄のモーツアルト評「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙…

  10. マーラー交響曲第1番『巨人』。『巨人』とつけた理由は?

  1. モーツアルト交響曲第36番の「リンツ」38番の「プラハ」はハプスブ…

  2. ザルツブルク音楽祭 R.シュトラウス、カラヤンがキーマン。映画「…

  3. モーツアルト、ベートーベンをビッグにした「ハプスブルク帝国」と…

  4. チャイコフスキー交響曲第2番『小ロシア』改め交響曲第2番『ウクラ…

  5. モーツアルトの生まれたザルツブルクは「ザルツブルク市街の歴史地…

  6. ムソルグスキー作曲『展覧会の絵』の「キエフの大門」はウクライナ…

  7. 神聖ローマ帝国の貴族がベートーベンをつくった

  8. 「フィンランディア」ロシアからの独立への決意の曲

  9. ベートーベン作品とパトロン一覧【カテゴリー別、パトロン別に見ら…

  10. ウィーンが「音楽の都」の理由。それはハプスブルク帝国の首都にあ…