小林秀雄『モオツァルト』
小林秀雄がモーツアルトを評論した著作に『モオツァルト』があります。
そして、ことあるごとに引用される一文が「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。」です。
弦楽五重奏曲4番ト短調 K.516
いったい「涙がおいつけないほどのかなしさが疾走している」というのはどのような音なのでしょうか。
「弦楽五重奏曲4番ト短調 K.516」について語られたものです。
聴いてみましょう。
play_circle_filled
pause_circle_filled
弦楽五重奏曲4番ト短調 K.516 1楽章
volume_up
volume_off
「涙がおいつけないほどのかなしさが疾走している」
言われてみると確かにそのような気もしてきます・・・。
ちなみにこの一文は次のように続きます。
モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡(うち)に玩弄(がんろう)するには美しすぎる。空の青さや海の匂いの様に、万葉の歌人が、その使用法をよく知っていた「かなし」という言葉の様にかなしい。
『モオツァルト』を読んで、モーツアルトにはまったという方もいらっしゃるようですが、逆にこういった格調の高さがクラシック音楽を遠ざけている気もします。
このサイトでは、音楽・メロディーそのものをシンプルに楽しみたいと思います。