モーツアルトの生まれたザルツブルクは「ザルツブルク市街の歴史地区」世界遺産

ザルツブルクは独立国家

モーツアルトの出身地ザルツブルクはキリスト教的な面から特別な都市でした。

どこが特別なのでしょうか。
キリスト教で最高の地位にあるのは教皇で、教皇によって認められた王が統治する国として神聖ローマ帝国がありました。

ザルツブルクは神聖ローマ帝国の領内ながらも、神聖ローマ帝国直属の独立した国家で、ローマに次ぐ世界で2番目に大きな教会国家で北のローマともよばれていました。

ザルツブルク大司教は教会と国との両方の権力をもち、財力もあって、建築、芸術、文化が発展したのです。

ザルツブルク音楽祭

現在「ザルツブルク市街の歴史地区」はユネスコの世界遺産に認定されています。
1920年からはザルツブルク音楽祭が開催されています。

ザルツブルク大司教はカトリック教会の最も重要な役職の一つで、モーツアルトはこの大権威者の元で宮廷音楽家をしていたわけです。

ザルツブルクが舞台の映画「サウンド・オブ・ミュージック」

ザルツブルクは、現在のオーストリアの町です。
サウンド・オブ・ミュージックは、オーストリアの海軍大佐であるトラップ大佐と教会から7人の子どものシッターとして派遣された修道女のマリアが結婚し家族となった一家の物語です。

第1次大戦が終結しドイツでヒットラーのナチスの勢力が徐々に拡大している時代。
1938年オーストリアはナチスによってドイツに併合されてしまいます。
トラップ大佐にもナチス政権からドイツの潜水艦の艦長就任の要請がきます。
オーストリアに誇りをもつトラップ一家はその命令を拒否し一家で亡命する、という実話に基づいたお話です。

ザルツブルクは本物のトラップ一家が暮らしていた街で、映画の撮影もザルツブルクとその周辺で行われました。
ザルツブルク観光では「サウンド・オブ・ミュージック・ツアー」など、その世界を体験できるイベントがいろいろ用意されています。

ザルツブルク市の観光案内ウェブサイトより。

エーデルワイス

「エーデルワイス」の歌はオーストリアへの祖国愛の象徴として挿入される歌です。
エーデルワイスはオーストリアの国花。
「小さく白く清らかに明るい花エーデルワイスよ。ずっと咲き輝き、永遠に祖国を祝福しておくれ」という歌詞です。

トラップ大佐は亡命直前に出演したザルツブルク音楽祭でこの歌を歌います。
最後は会場全体が合唱。泣ける!

関連記事

  1. チャイコフスキー交響曲1番 「冬の日の幻想」さび

  2. ベートーベンの弦楽四重奏曲の「ラズモフスキー」の意味

  3. モーツアルト死の謎。わかっていること。いないこと。

  4. チャイコフスキー作曲のオペラ『マゼッパ』はウクライナの英雄

  5. モーツアルト交響曲第31番【パリ】 さび

  6. ロシア国立交響楽団[シンフォニック・カペレ]2019

  1. ベートーベンの弦楽四重奏曲の「ラズモフスキー」の意味

  2. モーツアルトの妻・コンスタンツェの真実

  3. モーツアルトと父レオポルト

  4. ベートーベン交響曲第1番のパトロンは

  5. モーツアルト交響曲第35番「ハフナー」。ハフナー家のための曲

  6. モーツアルトのオペラ「魔笛」はフリーメイソンのための曲

  7. ベートーベンのパトロン 時代による変遷

  8. チャイコフスキーのバレエ音楽。「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「…

  9. チャイコフスキーの妻

  10. ベートーベン「不滅の恋人への手紙」。不滅の恋人は誰か。

  1. ベートーベンのパトロン、ラズモフスキーはコサックのリーダー=ヘト…

  2. モーツアルト交響曲第36番の「リンツ」38番の「プラハ」はハプスブ…

  3. チャイコフスキー作曲のオペラ『マゼッパ』はウクライナの英雄

  4. ザルツブルク音楽祭 R.シュトラウス、カラヤンがキーマン。映画「…

  5. ウィーンが「音楽の都」の理由。それはハプスブルク帝国の首都にあ…

  6. モーツアルトの生まれたザルツブルクは「ザルツブルク市街の歴史地…

  7. ナポレオンの馬の絵の肖像「サン・ベルナール峠を越えるボナパルト…

  8. ボロディン作曲『韃靼人(だったんじん)の踊り』もウクライナ由来。

  9. ムソルグスキー作曲『展覧会の絵』の「キエフの大門」はウクライナ…

  10. チャイコフスキー交響曲第2番『小ロシア』改め交響曲第2番『ウクラ…