ベートーベン人気絶頂の曲
この曲はナポレオン戦争でイギリスが勝利した時に、ベートーベンが依頼されて作曲した作品です。
「ビトリアの戦い」で活躍したイギリスのウェリントン将軍を讃えた曲で、大ヒットしました。
ナポレオン戦争
フランス革命後「旧体制を崩壊させいざ自由の国に」という革命勢力とそれを阻止する旧支配層の対立により国内は混乱し政治が不安定になりました。
そのようなときに、軍人としてフランスを脅かす周辺国を抑え、政治力も発揮し国民の間に名声を高めたのがナポレオンです。
ナポレオンは逆戻りの気配も見せる政府にたいし、クーデターで新政府を樹立しトップに立ち、独裁的権力を手にしました。
ナポレオンはヨーロッパ全体に勢力を広げようと、イタリア、エジプト、ドイツ・オーストリア、イベリア半島、ロシアに遠征し、広範囲を征服することに成功しました。
ビトリアの戦い
快調に軍を進めるナポレオンも、ロシア遠征で風向きが変わってきます。
1812年ロシアの厳冬によりナポレオン軍は大敗。
続く1813年のスペインでの戦いでもナポレオン軍はイギリス軍に敗れました。
このスペインの「ビトリアの戦い」で活躍したのがイギリスのウェリントン将軍です。
初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリー
「ウェリントンの勝利」
勝利を祝う曲として、ウィーン宮廷付きの機械技師がベートーベンに作曲を依頼してできたのが『ウェリントンの勝利、あるいはビトリアの戦い・「戦争交響曲」』です。
1813年12月、ウィーン大学の講堂でベートーヴェン自身の指揮で初演され、大成功を収めました。
この演奏会は負傷した兵士のための慈善活動の一環とした演奏会でした。
人気は翌年も続き「ウェリントンの勝利」はベートーベンの人気ベストヒットNO.1となりました。
同時に前年に作曲された「交響曲第7番」「交響曲第8番」も演奏され、ベートーベンの人気は絶頂を迎えたのです。
大太鼓の大砲感はすごい。
しかし正直、これが大人気曲?
なにはともあれ「ナポレオンに勝った」事実が熱狂を生んだのでしょう。
ダグラス・ボストック指揮アルゴヴィア・フィルハーモニックによる演奏。アルゴヴィア・フィルハーモニック公式YouTube。