ウィーン・リング・アンサンブル ニューイヤー・コンサート2026

ウィーン・リング・アンサンブル ニューイヤー・コンサート2026 に行ってきた。

曲目は
J. シュトラウスⅡ:オペレッタ「ジプシー男爵」序曲
J. シュトラウスⅡ:ワルツ「芸術家の生活」
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「おしゃべりなかわいい口」
J. シュトラウスⅡ:ワルツ「シトロンの花咲くところ」
J. シュトラウスⅡ:芸術家のカドリーユ
J. シュトラウスⅠ:リストの主題による狂乱のギャロップ
J. シュトラウスⅡ:オペレッタ「ヴェネツィアの一夜」ワルツ・メドレー
J. シュトラウスⅡ:ポルカ・シュネル「突進」
ツィーラー:ワルツ「ウィーン市民」
J. シュトラウスⅡ:新ピツィカート・ポルカ
J. ランナー:ワルツ「シェーンブルンの人々」
J. シュトラウスⅡ:ニコ・ポルカ

シュッツさんはじめ、みなさんの仕掛けを楽しみにした。

「ジプシー男爵」、「芸術家の生活」、「おしゃべりなかわいい口」、「シトロンの花咲くところ」、芸術家のカドリーユ

「ジプシー男爵」
すでにスタート時点で、シュッツさんはフルートと右手にバチを携えている。
期待通りにシンバルを一撃。すぐにフルートに。
そして、オーボエ担当が不在なためオーボエ部門も担当。
全体、ほぼメロディーはフルートが牽引する運び。
今日も目を見張る大活躍だ!
カール=ハインツ・シュッツさん

「芸術家の生活」
大好きな曲。お1人お1人の楽器が単独で聴けるのは少人数ならではで最高だ。
ヤネツィックさんのホルンの迷いもムラもない艶消しの響きと、小刻みに小刻みにほんとうに微細でまろやかなヴァイオリンの震えが合わさってえもいわれぬ気品高き雰囲気を味わった。
ヤネツィックさんのホルンは忍者のよう。
潜んでいて各パートを接着させ、出る時はふっと出る。
ロナルド・ヤネツィックさん

ブラデラーさんのアナウンス

待っていましたよ。
開演前の注意事項についてブラデラーさんが日本語で案内してくれる。
「このホールは十分な耐震構造になっているのでご安心ください」「2階の人は下に物を落とさないように」。
ここで携帯電話、写真撮影云々と入れないセンスも素敵。
すでにこれでうれしいのだが、さらにワクっとしたのが、休憩時間。
演奏を終えて舞台から退場されてすぐ「20分の休憩です」のアナウンスが。
休憩の終わる頃には「まもなく始まります」と。
どれだけおもてなししてくださるのだろう!
ミヒャエル・ブラデラーさん

「ヴェネツィアの一夜」、「突進」、「ウィーン市民」、新ピツィカート・ポルカ、「シェーンブルンの人々」、ニコ・ポルカ

「ヴェネツィアの一夜」
休憩明け、バランスがとれてウィーン香が漂い(ヴェネツィアだが)ハーモニーがうわーーっときた。
ウィーンフィルだーー。
「突進」
ポルカ・シュネル。
超高速、焦って焦っての曲だ。
さあ、ポルカ・シュネル! という時のブラデラーさんのベースはチームキャプテンだ。
鮮度よく活き活きと、かつ穏和な音色で弾みをつける。
この弾みでスキージャンプ台のようにみなを飛び出させるのだ。
一方、ワルツの時は柔らかく広がる音で微妙なズチャッチャリズムを刻み空気の流れを作る。
ブラデラーさんすごい。
「ウィーン市民」
ヤネツィックさんのトランペットじゃないホルン。
シュッツさんの手の指で叩くスネアドラムと、聴きどころ・見どころ満載。
「ウィーン」だけに、ズチャッチャがすごい。
このリズムをシュッツさんの溌剌と輝き踊るフルートが思いっきりターボをかけて全体にやんちゃ感もある感じでとても楽しい。
新ピツィカート・ポルカ
木管の方々は退場され、弦のみ。
指ではじく。
これを長い時間、安定的に通る響きでそれぞれの楽器のユニークな音がよく聞こえる。
テンポ、間がピッタリだ。
ここはシュッツさんお休みできるな、と思っていたら。
途中、下手から軽やかな足取りで天使のように(大人だが)鉄琴を鳴らしつつ現れて、上手へ去っていった。この鉄琴がまたよい音。
「シェーンブルンの人々」
The 弦のみの演奏。
キュッヒルさんのための曲なのかな。
キュッヒルさんは2026年1月での引退を表明されている。
しみじみ聴いた。
ウィーンフィルでは第1ヴァイオリン担当のフロシャウアーさんはリングでは第2ヴァイオリンを担当され、終始ズチャッチャで献身的に9人の芯を形作っていて、感動的。
ライナー・キュッヒルさん

ダニエル・フロシャウアーさん

ニコ・ポルカ
今回、唯一の”鳴り物”曲。
風船を体にまとわせながら、シュッツさんとクラリネットのラドシュテッターさんも加わって、最後「パーン」と割って決まった!
アレックス・ラドシュテッターさん

アンコール

アンコールをやってくれた。
J. シュトラウスⅡ:ポルカ・シュネル「狩り」

そして。「美しく青きドナウ」
ヴァイオリンのさやさやさや、を油断なく聴け、続くヤネツィックさんのホルン。
あ~、何度聞いてもいつ聞いても贅沢だ。
今年もいい年だ。

ありがたい。
続いて「ラデツキー行進曲」
シュッツさんのスネアドラムでスタート。
この時、観客の目はクラリネットのヒントラーさんに注がれる。
ヒントラーさんの合図で、手拍子を始め、止めるのだ。
ヒントラーさんは「おしゃべりなかわいい口」でも「ジジジ」と音のするパーカッションを首からさげて後方の席、左右の席と披露してくれた。
観客担当だ。

最後の最後、キュッヒルさんがお1人で出ていらして演奏したのが、
パガニーニ:カプリース第13番。
終わると熱烈拍手。
ウィーンリング・アンサンブルは2026年で34回公演されたそう。
キュッヒルさんあってのこと、改めて敬意と感謝でいっぱいだ。

※写真は松伏町ウェブサイトより

2026年1月8日 サントリーホール

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