ウクライナ国立歌劇場「アイーダ」

ウクライナ国立歌劇場「アイーダ」 に行ってきた。

前奏曲での小さく小さく入るヴァイオリンはその日のアイーダ全体を決めるなと思った。
芯ははっきりしていて柔らかい音。つかまれた。
チェロは不穏な雰囲気を醸し出し、ティンパニは事が起こる予兆、金管はファンファーレと舞台と音響がわかりやすい作品だ。

ラダメス、アムネリス

男性主役・ラダメスはドミトロ・クジン(テノール)。
押し出しが強いタイプではなさそう。司令官の迫力はどうなのかな?と見始めは思った。
ドミトロ・クジン

押し出しが強かったのが女性第2の主役のエジプト王女アムネリス・アンジェリーナ・シヴァチカ(メゾ・ソプラノ)。
アイーダとラダメスの間を引き裂きたい敵役だ。
大迫力。
輪郭のある芳醇な声がたっぷりな量で届いてくる。
当日配布のチラシに「予定していた方は、劇場からの強い要望により当初予定の方から変更になった」と書いてあり、体調やトラブルであれば「本人の都合」となるであろうにどうしたのかなと思っていたが、もしかして「絶好調で今日も投入だ!」という劇推しでこうなった次第なのかも!?と想像した。
とても予定外で準備もそこそこにという感じではなく、今日のMyメインはこの方、最高であった。
アンジェリーナ・シヴァチカ

第2幕第2場

大大楽しみの2幕2場「テーベの城門前」 ファンファーレがかっこよい!
金管がちょうどよい。輝きすぎず抑えすぎず「古代エジプトの晴れの舞台」の雰囲気が作られたように感じた。
合唱も素敵。
そしてバレエはこのバレエ自体も何度も見たいと思ったほど、”その場”に行って見ているのではないかというくらい、その世界に没入した。
女性ダンサーは、エジプトの壁画から飛び出てきたかのような衣装とポーズで揃って舞台を舞い、魅了された。

美術がまた素晴らしい。
全体の色合いは金をベースに白、赤。
金はオレンジがかった金で装置、衣装にふんだんに効果的に使われている。
赤は深い赤。
衣装も人の動きに合わせて表情を変えるようなデザインでびっくりする。

3幕 ラダメスが光った

ラダメスは愛するアイーダに一緒に逃げようと誘われ迷い、そのうえ自軍の配備もしゃべってしまう。
この優柔不断な感じ、うっかりの感じ、でも根っからの誠実者という感じがクジンのラダメス像なのだと大納得。
そして、アイーダのヴィクトリア・チェンスカ(ソプラノ)も強い意志をもつ歌い込みでクジンとのバランスが抜群であった。
ヴィクトリア・チェンスカ

総合舞台、全部込み込みの迫力の舞台だった。
DVDが出たら買いたい。


ヴェルディ:アイーダ第2幕第2場
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演奏:エレーデ指揮 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団S:テバルディ T:モナコ 1952年録音


※写真は光藍社ウェブサイトより

2026年1月10日 武蔵野市民文化会館大ホール

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