ベルリン・フィル八重奏団2026 に行ってきた。
曲目は
ドヴォルザーク(ウルフ=グイド・シェーファー編):5つのバガテル(八重奏版)
フーゴ・カウン:八重奏曲
シューベルト:八重奏曲
ドヴォルザーク 5つのバガテル(八重奏版)、フーゴ・カウン 八重奏曲
ドヴォルザーク
樫本大進ヴァイオリン、なんて美しいのでしょう。
ドヴォルザーク基調の軽めな曲。
冒頭から樫本ヴァイオリンの気圧高いような軽く柔らかくかわいらしい音色が、キュリュン キュリュンと繰り出されハートわしづかみだ。
そしてみなさん、芯はピーンと通っているがそれぞれがふわっと体積を持って膨らみ交わるハーモニーでうっとりである。
八重奏であるが、間違いなく樫本曲であった。
樫本大進

フーゴ・カウン
樫本ヴァイオリンは高気圧サウンドからちょっとしっとりな音色に変わる。
映画のバック音楽というか、登場人物のちょっとした心の変化や、場面の移行のバックにかかるような、楽し気感はあるもののつかみどころのないような曲。
樫本ヴァイオリンはチャーミングで八重奏のバランスも耳心地よし、なのだが、もう少し変化をつけてくれてもよかったかなと思った。ちょっと飽きた。
シューベルト 八重奏曲
待っていました。シューベルト。
全体の基本が、第1ヴァイオリンが主、対抗クラリネット。という丁々発止かと想像して聴いたが、そうではなかった。
第1ヴァイオリンが王子、クラリネットが姫。
フックスさんのクラリネットは全編とっても優しく丁寧に安定した澄んだ音。
ヴェンツェル・フックス

というわけで、宝の小箱のようなシューベルトだった。
4楽章 聴きどころ満載で楽しみにした。
練習曲のようなかわいらしいメロディーが基調で、各パートそれぞれの特徴が聴ける。
演奏:ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団 (クラリネット)レオポルト・ウラッハ (ファゴット)カール・エールベルガー (ホルン)ゴットフリート・フォン・フライベルク (ベース)ヨーゼフ・ヘルマン 1951年録音。
ホルンのソロ、クラリネットのソロはもちろん、その背景を第1ヴァイオリンがサブメロ的に飾るところはメロメロだった。
チェロのソロ。予定のオラフ・マニンガーさんがご病気とのことでピンチヒッターということでクリストフ・イゲルブリンクさん。もともと八重奏団のメンバーだったのでオラフさんのご回復を願うばかりですが、クリストフさんも定番。
クリストフ・イゲルブリンク

ヴィオラとベースの間で、際立ちすぎずでも確かに明るくまろやかな旋律が聴けた。
そして大注目したのが、木管・第1ヴァイオリンのメインのラインに並走する第2ヴァイオリンとビオラのズラチャチャ ズラチャチャ。
アミハイ・グロスのヴィオラは渋く太く、これが効く。
かっこよくて、汗ばんだ。
アミハイ・グロス

5楽章 プレゼントのようなかわいらしいメロディーのところはスーパーかわいらしく幸せ。
6楽章
冒頭の嵐。チェロとベースの”ヘリコプター”のところ。どのようにあの音が出ているのか、クリストフさんの職人芸を見ることができた。
シュテファン・ドールのホルン

今回のシューベルトは全編キュートであったが、その”キュートなお花畑に現れる陽気なアイスクリーム売りのお兄さん”という感じで、1人独自の風を吹き込んだのがシュテファン・ドールのホルンだ。
表情のあるうなりが八重奏団に躍動を注いで最高。
楽章終わりに拍手したくなった。
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いつものメンバーのなかで、樫本さんが最上の音を心地よいように出している感じだった。
第1ヴァイオリンとクラと合わせ、それに全員が同化していく。
音色、音量、タイミング、ニュアンス、間がピタリ。
ヴァイオリン1、2、ヴィオラは三つ子のようだった。
ベルリンフィルのコンマスってすごいんだな。
極上でございました。
アンコールもやってくれた。
なんと。
シューベルト:「楽興の時」より第3番。
素敵。
※写真はJAPAN ARTSウェブサイトより
2026年2月27日 サントリーホール
