フランソワ・ルルー指揮&オーボエ 日本フィルハーモニー交響楽団 メンデルスゾーン3番『スコットランド』に行ってきた
曲目は
ラフ:シンフォニエッタOp. 188
メンデルスゾーン(タルクマン編):『無言歌集』より
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」
フランソワ・ルルーさんは、レ・ヴァンフランセで拝聴している。
プリッッ バリッッ とした歯切れのあるほとばしる音が魅力だ。
この方がオーケストラとはどのような共鳴を聴かせてくれるのか、楽しみにした。
そして、指揮! 「スコットランド」にどのような風を吹き込まれるのか。
ラフ:シンフォニエッタ、メンデルスゾーン:『無言歌集』より
シンフォニエッタはフルート、クラリネット、ファゴット、ホルン、オーボエ各2本ずつのアンサンブル。うちオーボエはもちろんルルーさん。
やぱり超ド級のパフォーマンスだ。
圧倒的な肺活量で小さな音から大きな音も場内に響き渡ってくる。
微妙にくいぎみなテンポで音が躍り出てくるような優雅なオーボエだ。
全身でリズムをとってほか7人を励ましながらの演奏で、お父さんがファミリーをリードしているような温かさあふれる熱演だ。
ホルンが柔らかいきれいな音だ。
『無言歌集』よりは、オーケストラ弦部門とリリーさんの吹き振り。
こちらも熱演。リードを湿らせつつ右手で指揮をして忙しい。
メンデルスゾーン:交響曲3番『スコットランド』
ルルーさんがオーボエで吹くのだったら、こんなふうな色彩にされるのだろうな、と感じるバイタリティーと遊び心にあふれた演奏だった。
メンデルスゾーンのきれいなメロディーや軽やかな明るさを隈取するようにわかりやすく聴かせてくれる。
少し過剰気味かなと思わなくもなかったが、ルルーさんの勢いにオーケストラがうまくノッてとても楽しい。
切なさやしんみりした感じはさておき、ちょっと落ち着く3楽章さえハイテンションで、好きで注耳していた2楽章の軽快さが目立たないくらい。
細かいこと言わんと団体戦で行くゼ! というルルー大将と仲間たちな感じがなんかよかった。
フィナーレのところはホルン、トランペットが歯切れよく盛り上がった。
この風は、ルルーさんと日本フィルの組みあわせでこそなのだろうと思った。
また聴きたい。
続いてメンデルスゾーン4番『イタリア』をぜひ!
メンデルスゾーン:交響曲3番『スコットランド』。注耳していた2楽章の前半。
演奏:ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 1967年6月録音
2024年11月1日 サントリーホール