ソフィエフ指揮、N響、松田華音ピアノ ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第2番、プロコフィエフ 交響曲第5番 に行ってきた。
曲目は
ムソルグスキー(ショスタコーヴィチ編):歌劇「ホヴァンシチナ」─前奏曲「モスクワ川の夜明け」
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第2番
プロコフィエフ:交響曲 第5番
歌劇「ホヴァンシチナ」─前奏曲「モスクワ川の夜明け」
ムソルグスキー作曲でショスタコーヴィチがオーケストラに編曲した。
この曲はズバリ、夜が明けているか。である。
オーボエ、クラリネットが目覚めの兆し、ヴァイオリンの小さく細かいトレモロがチリチリと顔を出し始める太陽、そして輝きを表すのがハープ、といったところか。
あとは弦が生命の息遣いをたっぷりと吹き込み、人の営みの開始をつげる鐘。
ハープがとても輝いていた。弦の生命の息遣いのところはちょっと硬かったかな、鐘は確かに鳴っていたのだが、力強さは控え気味かなと感じた。
ちょっと眠めな夜明けであった。
ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲 第2番
この曲はショスタコーヴィチが音楽学校に通う息子のピアノ演奏用に書かれた曲で、19歳で独奏して大成功だったとのこと。
とても素早くてパズルみたいな曲だと思って聞いていたが、さすが、ショスタコーヴィチの息子はこんな特徴的な曲を弾きこなしてしまうのか。
さて、松田華音さん。
6歳からモスクワで音楽活動をされている。
選曲がピッタリでとても期待した。
1楽章は行進曲風で威勢がよい曲。
松田さんは、勢いよりも明るく優しい音で”パンパンと歯切れよく”というタイプではないようだ。
それだけに、よかったのが2楽章。
2楽章はショスタコーヴィチっぽくなく静かで美しい旋律の曲。
オーケストラはコントラバスが効いていて落ち着いた雰囲気を作り出し、そこにまろやかに乗ってくるピアノがソ連だとかショスタコーヴィチだとかとは異世界な感じでしっとり、うっとりした。
3楽章はピアノが軽く・速く、強く・弱くの味。
松田さんは気持ちよくピアノを転がしてくれたが、ショスタコーヴィチのゼンマイが切れたようないっちゃった感もちょっと欲しかったなと思った。
プロコフィエフ 交響曲 第5番
すごかった。
この曲は、脈絡なく(素人的感想)そこここにワクワクが仕掛けられていて、そこにはまるのがうれしい。
だが、ぼやぼやしていると仕掛けに気づかず過ぎてしまうことがある。
しかし、ソフィエフは絶対的仕掛け師であった。
どこから何をどうやってもっていったら最大のワクワクが生まれるのかをこれでもかと聴かせてくれ聴衆をがっつり仕掛けにはめてくれた。
1楽章 全パートが全力。ヴァイオリンを引き立ててとかチェロは支えてとかではなく、全員が主張しそれがみっちり凝縮されブレンドされている。
特製ラーメン全部乗せといった充実感だ。
「4楽章」のような盛り上がりで拍手しそうになった。
2楽章 疾走感。アクセントと節回しが息をもつかせず繰り出されて、アメージング。
3楽章 管がときおりアクセントを添えるものの全体としてまったりする楽章と思っっていた。
が休んでいられなかった。
ヴィオラがまさにアダプトしてとってもよい音。
重層的で膨張感のある響きで弦の海に飲み込まれているような幸福感を味わった。
4楽章 ここはとても楽しみにした。
ヴァイオリンが急降下して低音が受けて、オーボエがすっとこどっこいと入ってくるところが好き。
ゲストコンサートマスターの川崎洋介さんの中腰奏法も炸裂。
ソフィエフの体全体を使った指示がもれなくオーケストラに浸透して音になっているのがわかった。
これはもう祭りである。
ほんと最高でした。
演奏:セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1959年10月24日&30日録音
※写真はNHK交響楽団ウェブサイトより
2026年1月30日 サントリーホール
