トレヴァー・ピノック、エマニュエル・パユ、ジョナサン・マンソン、東京春音楽祭2026

トレヴァー・ピノック、エマニュエル・パユ、ジョナサン・マンソン、東京春音楽祭 に行ってきた。

ソリストは
トレヴァー・ピノック(チェンバロ)
エマニュエル・パユ(フルート)
ジョナサン・マンソン(チェロ)

曲目は
J.S.バッハ:
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV1034
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903

テレマン:
『無伴奏フルートのための12のファンタジア』より 第10番 嬰ヘ短調 TWV40:11
J.S.バッハ:
フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV1030
無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ長調 BWV1035

超ド級、アメージングな演奏に立ち会ってしまった。

バッハ フルートと通奏低音のためのソナタ BWV1034

チェンバロ、フルート、チェロのトリオでの演奏。
パユ様のフルートはふくよかで優しい。
チェロはチェンバロを消さず、ゆりかごのようにフルートを支えている。
単調でなく、ところどころ表情のあるバッハ。
息をふっと抜くところで3人のタイミング・強弱が揃いドキドキする。

バッハ 半音階的幻想曲とフーガ BWV903

ピノックさんの独奏。
まず、チェンバロがかわいい。
コバルトブルー的な青を基調に金色の縁取りがされていて、屋根裏は青に合う赤。
ここでピノックさんが律儀律儀に時計より正確だろうというリズムで刻んでは時に崩しながら、耳を澄ますといろいろな音が独立して鳴っている。
正直、曲調はつかめないが、これがきっとバッハがなのだ。
18世紀、江戸時代にドイツでバッハが作ってこんなふうに弾いていたのかなと思いを馳せた。

テレマン『無伴奏フルートのための12のファンタジア』より 第10番

パユ様の独奏。
Solo をここで聴けるなんて。
低音の響きがにごりなく、たっぷりで美しい。
高低を行ったり来たりするところが多い曲だ。
低音を響かせながら高いメロディがでてくる。
コントラバスとヴァイオリンをフルート1本で演奏しているかのようでいったいどうなっているのか!?

バッハ フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV1030

ピノックさんのチェンバロとパユ様のフルートのデュオ。
テンポは速い。
フルートが燦然と輝きだしてきた。
輝きの噴水だ。
金というよりダイアモンドの輝き、そしてなめらか。
ピノックさんのチェンバロにあおられ、パユ様の伸び伸びと遊んだサウンドが会場に響き渡った。
口元ではところどころで微細な修飾音がちりばめられ、思わず腰が浮いた。

バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番 BWV1007

マンソンさんのチェロ独奏。
穏やかだ。
メロディーははっきり聴こえてくるのだが、切れ目がない。
流れるように優しく、空気がふんわりと作られている。
バッハというと厳格な感じを持っていたが、マンソンさんは安らかなバッハだ。
調子も明るくこれはお人柄なのかなと思った。

バッハ フルートと通奏低音のためのソナタ BWV1035

トリオでの演奏。
ますます3人の息がぴったりしてきた。
ピノックさんは芯を固め、パユ様はその上で表情をつくり、マンソンさんはまたゆりかごに戻った。
この方々のバッハは古めかしいの対局で鮮度抜群、生気がみなぎっていた。

アンコールもやってくれた。
J.S.バッハ:
管弦楽組曲第2番 BWV1067よりVII. Badinerie
フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV1031 より II. Siciliano

どちらも耳なじみのある曲でうれしい。
どの曲をやる? ちょっとタイミングが合わずやり直したり、3人の打合せ風景を垣間見たようで楽しかった。
****************
パユ様絶好調。
高密度高精細&ハートフルな演奏でございました。

終演後、サイン会があった。
ホワイエは何重にも折り返す長蛇の列。
力演後疲れも見せずに、丁寧ににっこりと対応しながらサインをされていてこちらも感動ものでした。

2026年3月20日 東京文化会館小ホール

関連記事

  1. ベルリンフィル・ハーモニー管弦楽団がキリル・ペトレンコとやってきた

  2. ストラディヴァリウス サミット・コンサート2023

  3. ゲルギエフの「悲愴」

  4. パユ様

  5. フランチェスカ・デゴ 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル

  6. トヨタ・マスター・ プレイヤーズ、ウィーン 2025