曲目
| 組曲《ペレアスとメリザンド》より 第1曲「城門にて」第2曲「メリザンド」第7曲「間奏曲」第8曲「メリザンドの死」 |
シベリウス |
| ヴァイオリン協奏曲 | シベリウス |
| 交響曲第5番 | シベリウス |
公演日時・会場
2026年10月14日、東京オペラシティ コンサートホール
ヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団、25年ぶりの来日
ヘルシンキフィルは、創立140年の北欧最古のオーケストラ。
シベリウスが自身作曲の交響曲第1番~6番を指揮し、初演した。
ということで、25年ぶり来日の今回、豪華オールシベリウスプログラムだ。
指揮は、ユッカ=ペッカ・サラステさん。
フィンランド生まれで、2023年よりヘルシンキ・フィルの首席指揮者兼芸術監督をされている。
シベリウス 組曲《ペレアスとメリザンド》より
弦が。きれい。美しい。そしてブゥォンブゥォンと響く。
静かな曲が続き、それぞれ部門のよいところの”味見せ”的に演奏された。
木管はクリアで、合わさって超立体ハーモニーに。
2026年サッカー・ワールドカップの、ハーランド率いるノルウェーの応援パフォーマンス「バイキング・ロウ」を思い起こすような、”1人1人が合わさってボリューミーに押し寄せる感”(こちらはフィンランドであるが)に思わず身を乗り出した。
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
ピアノは東亮汰さん。
1999年生まれの新進のヴァイオリニストだ。

音は。
きれいで上手な演奏。
音量も十分届き、難所も丁寧にくっきりと演奏されていた。
強く強くが意識され、もう少し抑揚があってもよかったかなと。
音が澄んでいるだけに、シベリウスの陰鬱から弾け出るエネルギー的な感じがもう一つだったように感じた。
3楽章はよかった。ゾーンに入ったかのように食い込んだ演奏だった。
今回、ピンチヒッターということ。まだ20代、なおいっそう箔を付けた演奏を聴いてみたい。
オーケストラは、重層のハーモニーがすごい。
いつ・何時・どの音もハーモニーしている。
地底から無限に湧きあがるような弦の響き。これはいったいどこからくるのか。
オペラグラスでよく見てみた。
どうやらヴィオラとチェロにカギがある。
ヴィオラ数人とチェロ数人がオペラグラスで見ないとわからないくらいの小さな振動で優しく弓を動かしている。
猫を抱いて優しく撫でているような繊細な小刻みな動き。
これが各パートの音を収斂させているのだとみた。
アンコール
・シベリウス:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲
東さんとヘルシンキフィルのヴィオラ主席の方との二重奏。
美しかった。
ちょっと長かった。
シベリウス 交響曲第5番
1楽章 ホルンから入り、徐々に夜が明けてきて、胎動していく感じの曲だ。
フルート、オーボエ、クラ、そしてファゴットと入りハーモニーがより濃くなった。
寄せては返すさざ波。押し寄せる大波動。
サラステのタクトは、ディズニー映画『魔法使いの弟子』のミッキーの魔法の杖のように、振ればオーケストラがそのとおりに息づく。
2楽章はピチカートの章。
これがまた長く大規模で「ちょっとポイントだけかわいくやる」というものでない。ピチカートでのハーモニーも聴けた。
3楽章 フィナーレ。ホルンの章だ。
ホルンはひっかかりのないよい気持ちの良い音。
クラリネット、オーボエも硬めの良い音。
ヴァイオリンは柔らかすぎず硬くなく上質に規格統一されている。
弦のトレモロ職人による鬼トレモロがこれでもか、と正確に細かく繰り出され、これが蜂の大群のようなハーモニーとなってすごい。
金管も弦に乗った出すぎない輝き。
音が溶け合って響きドームに包まれているようだ。
フォルテでも大きな音すぎず、ハーモニーのバランスで迫力がある。
最後のジャン ジャン もけれんみはないが勇者な感じで素敵であった。
「シベリウス 交響曲第5番はかっこよいのだけど、サビメロディーも短くなにかつかみどころがない曲だ」と思っていたが、この曲の大事なことはメロディーではないということがわかった。
フィンランドの風であり海であり、自然であり大地がオーケストラで表現されている「フィンランド紀行」に連れて行ってくれる曲なのだと確信した。
これが、「シベリウスのオーケストラ」といわれるヘルシンキフィルハーモニーか。
アンコール
・シベリウス:鶴のいる風景 op.44-2
・シベリウス:組曲「カレリア」op.11より 第3曲「行進曲風に」
鶴のいる風景はメロディアスでロマンチックで、協奏曲、交響曲とはまったくイメージが違うかわいらしい演奏。
組曲「カレリア」は、何人か加わり明るく・元気になって終わった。
心をつかまれ、CD3枚組、5500円を買った。

シベリウス交響曲1番から7番までコンプリートされている。
サラステ指揮・ヘルシンキフィルの2024、2025年の演奏ということで、楽しみだー。
CD買ってサイン会に参加した。

※東亮汰写真はryotahigashiウェブサイトより。アイキャッチはチラシより
