エマニュエル・パユ(フルート)、吉野 直子(ハープ) デュオリサイタル に行ってきた。
曲目は
ロータ:フルートとハープのためのソナタ
ドビュッシー:小舟にて/アラベスク第1番/月の光
フォーレ:シシリエンヌ/ファンタジー
J.S.バッハ:ソナタ 変ホ長調 BWV1031
モーツァルト:ソナタ ホ短調 K.304
ドップラー&ザマラ:カジルダ幻想曲
本日のパユ様はフルート天使バージョン
ロータ:フルートとハープのためのソナタ
パユ様は優しくふくらみのある音でスタート。
吉野さんは律儀に粒だった音だ。
なんて気品のある音色なのでしょうか。
皇帝の子守歌を一般ピープルが聴いているような気分であった。
ドビュッシー:小舟にて/アラベスク第1番/月の光
まず。曲が美しいということがある。
それをパユのフルートは芳醇な息をたっぷり使ってまろやかにたゆたう音色で飾る。
ただただ美しくうっとりだ。
胸がジーンとしてくる。
フォーレ、バッハ、モーツアルト
フォーレあたりから徐々に吉野さんとの息もあってきた感じ。
基本パユがメインのラインであるのだが、吉野さんはフォーレではピアノ部の担当、バッハではハープシコード、モーツアルトではまたピアノ、と鍵盤担当されている。
鍵盤楽器は鍵盤をたたくことで弦を振動させて音を出す。
いちいち弦を指ではじくのは大変だからそうなっているのではないか!?
それを吉野さんはどうやらハープを鍵盤楽器を弾くかのように右手と左手で弾いているようだ。
こんなことできるのか!? 聴いてびっくり見てびっくりだ。
しかも大曲3曲の全部を!
これは吉野さんをフューチャーさせようというパユ様の無茶ぶりなのでは。
そのパユはこのまま食事できるんじゃゃないかというくらい自然体で吹いていて、吉野さんを支えている。
モーツアルトの時には、吉野さんソロの時に前に静かに回り込んでこられ「?」と思っていたら、吉野さんの楽譜をめくっていた。
惚れてまうやろー!
ドップラー&ザマラ:カジルダ幻想曲
フルートとハープのための二重奏曲。
本来の組み合わせということで、会心の盛り上がりだ。
爽やかで流麗なフルート。
ハープの「ポロポロ~ン」も待ってました! である。
フルート&ハープの妙を堪能
フルートとハープという機会の少ない組み合わせに、皆が耳馴染みのある曲を入れながら最後盛り上げていくのはさすがの仕掛けで楽しかった。
キレをよくしすぎずないフルートがハープと合っていたと思った。
アンコールも演奏してくれた。
サン=サーンス:ロマンスOp.37。パユのアンコールは”おまけ”というよりメインで贅沢なのだ。
そして今回もまたサイン会が開催された。
パユは確か前日は神戸で国際音楽祭のオープニングコンサートに午後に参加されていたはず。
超人である。
2025年はパユ様祭り。
昨年中国ツアーで来日されなかった分なのか、今年は日本での演奏を精力的にされていてありがたい。
その祭りの中盤が終了。
次は秋のお楽しみだ。
2025年7月13日 所沢文化センター ミューズ マーキュリーホール