チャイコフスキー交響曲第2番【ウクライナ】

チャイコフスキー 交響曲第2番は【小ロシア】と称されています。
しかし、Magazine7では、交響曲第2番は【ウクライナ】とすることにしています。

そう。2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻によって、【小ロシア】の意味を意識したからです。

「小ロシア」はウクライナがロシア帝国の支配下になった19世紀初頭以降、ロシアがそう呼称したのです。
“ウクライナ”はロシアでは「辺境の地」を意味することばでした。
もちろん、ウクライナはこれを植民地的屈辱の表現として拒否しています。

ウクライナ側の見解はウクライナはたんに「土地(ランド)」を意味するものであり、「辺境」ではないとしています。

チャイコフスキーは1840年に生まれ1893年に亡くなっています。
この頃のロシアは、ナポレオン戦争でナポレオンを撃退した後、ウィーン会議に参加し、ワルシャワ大公国、ポーランドと領土を拡張しました。

どっぷり「小ロシア」の時代でした。

【歴史年表】ウクライナとロシア

プチ・クエスチョン

チャイコフスキーと同時代で、ナポレオン戦争時のロシアを描いた大河小説があります。
そのタイトルと作者は?

『戦争と平和』トルストイ。

1楽章と4楽章でウクライナの民謡が使われていることからそう呼ばれるようになったそうです。
ウクライナはチャイコフスキーの妹の嫁ぎ先でもあります。

1楽章
始まりは重く進み、中盤頃がさびです。

play_circle_filled
pause_circle_filled
1楽章さび
volume_down
volume_up
volume_off

4楽章
冒頭からがさびです。「展覧会の絵」?と思うような入りで、管楽器部と弦楽器部のやりとりがコサックダンスのように動的です。
コサックは、ウクライナ地域に居住し外敵から護った武装集団です。

play_circle_filled
pause_circle_filled
4楽章さび
volume_down
volume_up
volume_off

【歴史地図】ウクライナ国歌 「そうコサックの子孫であることを」これがウクライナの強さの原点

関連記事

  1. チャイコフスキー交響曲第3番【ポーランド】 さび

  2. ウィーン チェロ・アンサンブル 5+1

  3. チャイコフスキー交響曲第2番『小ロシア』改め交響曲第2番『ウクライナ』とします。

  4. チャイコフスキー交響曲第6番【悲愴】 さび

  5. ロシア国立交響楽団[シンフォニック・カペレ]2019

  6. ハンガリー・ブタペスト交響楽団 指揮:小林研一郎 ピアノ:亀井聖矢


Warning: Undefined array key "show_date" in /home/publishing/magazine7.net/public_html/classic/wp-content/themes/gensen_tcd050/widget/styled_post_list1.php on line 59
  1. マーラー交響曲第1番『巨人』。『巨人』とつけた理由は?

  2. 小林秀雄のモーツアルト評「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙…

  3. チャイコフスキーのバレエ音楽。「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「…

  4. ベートーベンのパトロン 時代による変遷

  5. ベートーベンの弦楽四重奏曲の「ラズモフスキー」の意味

  6. チャイコフスキーの死因

  7. チャイコフスキーの妻

  8. ベートーベン交響曲第1番のパトロンは

  9. ベートーベンが聴こえなくなったのは何歳?

  10. チャイコフスキーはモスクワ音楽院の理論担当教師


Warning: Undefined array key "show_date" in /home/publishing/magazine7.net/public_html/classic/wp-content/themes/gensen_tcd050/widget/styled_post_list1.php on line 59
  1. ナポレオン 戦争とベートーベン交響曲年表

  2. モーツアルトの生まれたザルツブルクは「ザルツブルク市街の歴史地…

  3. モーツアルト、ベートーベンをビッグにした「ハプスブルク帝国」と…

  4. ベートーベン作品とパトロン一覧【カテゴリー別、パトロン別に見ら…

  5. ナポレオンの馬の絵の肖像「サン・ベルナール峠を越えるボナパルト…

  6. 神聖ローマ帝国の貴族がベートーベンをつくった

  7. ウィーンが「音楽の都」の理由。それはハプスブルク帝国の首都にあ…

  8. モーツアルト交響曲第36番の「リンツ」38番の「プラハ」はハプスブ…

  9. ムソルグスキー作曲『展覧会の絵』の「キエフの大門」はウクライナ…

  10. 「フィンランディア」ロシアからの独立への決意の曲