スロヴァキア・フィルのドヴォルザーク

スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団が来日しました。
指揮はレオシュ・スワロフスキー。1961年、チェコ生まれの方です。

曲は
・ベートーベン交響曲第6番「田園」
・ドヴォルザーク交響曲第8番
の2本立て。

まずは田園。
全体澄んだ音色で、基本軽やかな曲の田園がさらに軽やかです。
田園は、箇所によってちょっとテンポを急ぎ気味の演奏を聴くことがありますが、ここがかなり食いぎみで「ぬぬ? 大丈夫かな?」と少し焦りましたが、全員が揃っていて合わせた演奏ということがわかり、レオシュの仕掛けか、と楽しさ倍増でした。
非常にまとまった優しい田園でした。

次がドヴォルザーク
ドヴォルザークはチェコ出身の作曲家です。
実家は肉屋さん。
音楽学校卒業後、奨学金の審査に提出した曲を審査したのがブラームスで、ブラームスに才能を認められたことでデビューのきっかけをつかみました。
ドヴォルザークの作品は、歌いやすいメロディーが、そこここに出現し、とても聞きやすいです。
第9番「新世界より」がやたら有名で聴く機会も多いですが、8番は日常生活で耳にすることはほぼないといっていいと思います。
この8番はなんといっても1楽章出だし少し過ぎてからのインパクトが聴きどころです。
優しい田園の方々がここどのように演奏されるのかな、インパクトあるかな、と思っていましたが、しかし!
キターーー。きました。
すごい迫力でした。キレとボリュームで大興奮。

最終のフィナーレも盛り上げるだけ盛り上げてくれました。
最高でした。
今晩はワールドカップ日本vsポーランド。
景気づけにぴったりです。

play_circle_filled
pause_circle_filled
1楽章。インパクトに向かっていくところ
volume_down
volume_up
volume_off
play_circle_filled
pause_circle_filled
4楽章最後。
volume_down
volume_up
volume_off

アンコールも応えてくれました。
ブラームスのハンガリー舞曲第5番でした。
その昔チェコがボヘミア王国、スロバキアはハンガリー王国の一地域だったということあっての選曲でしょう。
これもまた、輪をかけてかっこよかった。
レオシュさん、汗びっしょで、お疲れさまでした。

play_circle_filled
pause_circle_filled
ハンガリー舞曲第5番さび。
volume_down
volume_up
volume_off

関連記事

  1. ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団

  2. ベルリン・バロック・ゾリステン2024 ヴィヴァルディからバッハ

  3. トゥガン・ソヒエフ with N響 「ロメオとジュリエット」

  4. ベルリン・フィルハーモニック・ウィンズ

  5. ヤニック・ネゼ=セガン指揮 METオーケストラ 来日2024 マーラー5番

  6. ウィーン・フィルハーモニーが来日、ソヒエフがすごかった

  1. モーツアルトと父レオポルト

  2. ベートーベンの弦楽四重奏曲の「ラズモフスキー」の意味

  3. モーツアルト交響曲第35番「ハフナー」。ハフナー家のための曲

  4. マーラー交響曲第1番『巨人』。『巨人』とつけた理由は?

  5. 小林秀雄のモーツアルト評「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙…

  6. ベートーベン「不滅の恋人への手紙」。不滅の恋人は誰か。

  7. チャイコフスキーのバレエ音楽。「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「…

  8. モーツアルト死の謎。わかっていること。いないこと。

  9. ベートーベン交響曲第1番のパトロンは

  10. ベートーベンのパトロン 時代による変遷

  1. ナポレオンの馬の絵の肖像「サン・ベルナール峠を越えるボナパルト…

  2. ベートーベン作品とパトロン一覧【カテゴリー別、パトロン別に見ら…

  3. モーツアルト、ベートーベンをビッグにした「ハプスブルク帝国」と…

  4. 神聖ローマ帝国の貴族がベートーベンをつくった

  5. ムソルグスキー作曲『展覧会の絵』の「キエフの大門」はウクライナ…

  6. ベートーベンのパトロン、ラズモフスキーはコサックのリーダー=ヘト…

  7. ナポレオン 戦争とベートーベン交響曲年表

  8. チャイコフスキー作曲のオペラ『マゼッパ』はウクライナの英雄

  9. ボロディン作曲『韃靼人(だったんじん)の踊り』もウクライナ由来。

  10. ザルツブルク音楽祭 R.シュトラウス、カラヤンがキーマン。映画「…