フィルハーモニー・カメラータ・ベルリン&亀井聖矢 2026 | 演奏曲・ソロメンバー・アンコール・感想

曲目

曲 作曲
ピアノと弦楽のための小品[新作・初演] 亀井聖矢
ピアノ協奏曲第3番 ベートーヴェン/W. タリアズ編曲
ルーマニア民俗舞曲 バルトーク
アンダンテ・カンタービレ チャイコフスキー
オペラ『夢遊病の女』(ベッリーニ)による幻想曲 ボッテジーニ
カルメン幻想曲 サラサーテ

公演日時・会場

2026年9月24日、サントリーホール

亀井聖矢の自作曲とベートーヴェンピアノ協奏曲第3番

亀井聖矢作曲 ピアノと弦楽のための小品

ショスタコーヴィチばりの重く暗い感じの曲であった。
パンフレットによると、”ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」へのプロローグとして作曲した作品”とのこと。
難聴などで苦しみながらも生きる意味を見出した希望を描いたということだ。
弦の重層感とドラマチックなピアノが合わさった部分はなるほどと感じた。
ピアノだけでなくパートパートを楽譜にするわけで、音楽に対する幅とか深さとかをお持ちなのだな、すごいなと思った。

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番

カメラータ・ベルリンの方々は弦8人。
そのセンターに王様ピアノ。亀井さんは堂々とした弾きっぷり。
大フォルテのところは野生的で動的な迫力がすごかった。
逆に小さくかわいらしいフレーズのところも勢いそのままといった風で この辺り脱力があったり、柔らかく流れるような感じなど表情の変化がよりあってもよかったかなと思った。

弦8人なので、管部門も弦が奏でるところがオーケストラとは異なるところ。
音量バランス的に管メインのところは譲ったりなどの連携も欲しいところであった。

ピアノ アンコール

シューマン=リスト:献呈

フィルハーモニー・カメラータ・ベルリンのステージ

バルトーク ルーマニア民俗舞曲

ベルリン・フィルのアンサンブルではおなじみの曲。
普段真面目に丁寧に演奏する方々がフルスピードでハッチャケてエネルギーを発散させてくれて大興奮、というつもりでいた。
しかし。今回完全に意表をつかれた。
しっとり、美しく。
バルトークのもの悲しさをしみじみと感じた。
同じ曲で同じ奏者でもこんなにも異なる風景が描かれるものなのか。

チャイコフスキー アンダンテ・カンタービレ

この曲はチラシではサントリーホール用プログラムには予定されておらず別のプログラムに構成されていた。
が、しかし!! サントリーホールでも演奏があった。
チェロが独奏する曲で、奏者はなんとなんと、タチアナ・ヴァシリエヴァ!!!
ベルリンフィルの団員ではなく、チェロの独奏者だ。

写真はTatjana Vassiljeva-Monnier ウェブサイトより

自身の椅子をずりずりと移動して、センターに。
弓を引いた瞬間に、うわーーっと惹きつけられるよい音。
音がふわっと宇宙に拡がっていくような。
“驚くべき天才”と評されるのはこういうことか。
今回聴けて幸運だった。

ボッテジーニ:オペラ『夢遊病の女』(ベッリーニ)による幻想曲

ベルリンフィルのコントラバス奏者グナールス・ウパトニエクスさんのソロ。

写真はberliner-philharmoniker ウェブサイトより

こっれがまたソフティーでメロゥーな音色。
粉雪が舞い降りてほわっと溶けていくような、そして明るい音。
大きなコントラバスの長い弦の上から下まで全部使う。
高身長のウパトニエクスさんが上体を折り曲げて大切に大切にいつくしむように弾いている。
コントラバスがソプラノ歌手だとしたら、バックの弦はオーケストラ。
柔らかな歌を弦が強弱を細かくコントロールして支えている。さすがいつものメンバーの呼吸なのだな。

サラサーテ:カルメン幻想曲

待っていましたよ!
我らがルイス兄ぃのソロ。このカメラータのコンサートマスターだ。

カルメンの”あばずれ”感、”場末”感あふれるギュンギュンした、それでいて透明感のあるキレのよいヴァイオリン。
超絶技巧も惜しげなく織り交ぜ1人3倍速演奏だ。
ほんとどんな音も出せるんだな。

サラサーテ:カルメン幻想曲出だし
play_circle_filled
pause_circle_filled
  
volume_down
volume_up
volume_off

演奏:(ヴァイオリン)ルジェーロ・リッチ ピエロ・ガンバ指揮 ロンドン交響楽団 1959年9月録音

少人数のカメラータということで、普段のオーケストラでは機会がない個人妙技を堪能でき新鮮で興奮した。

カメラータ アンコール

アンコールはなんと4曲! やってくれた。

モーツァルト:『フィガロの結婚』より序曲
マスカーニ:『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲
J. シュトラウスⅡ世:ポルカ・シュネル『突進』作品348
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル『短いことづて』作品240

2曲かなと思っていたら、次また次とでホールもどよめく。
「コンサート後半の部」枠ではまったくもって収まりきらない。
しかも大有名曲を惜しげなく。軽やかに。
ベルリンフィル版ウィンナワルツも、しかも2曲。ベルリンフィル版はパリっとした感じだった。

連休明けのせいか空席もあったが、かえってアットホームで最後はほぼ総スタンディングオベーション。
楽しみにした100倍、最最高でした。
ルイス兄ぃのエネルギー&サービスの心意気、さすがです。
今度はカメラータ単独でぜひぜひいらしてほしいです!

関連記事

  1. ベートーベン交響曲第1番 全楽章さび

  2. ライナー・キュッヒル with ウィーン室内管弦楽団

  3. ベートーベン交響曲第8番 さび

  4. ユージン・ツィガーン指揮、イル・ド・フランス管弦楽団、角野未来ピアノ|曲目、アンコール、感想

  5. ベートーベン交響曲第6番 さび

  6. 樫本大進&小菅優デュオ・リサイタル