曲目
| 曲 | 作曲家 |
| ヴァイオリンとチェロのための二重協奏 | ブラームス |
| ピアノ四重奏曲 第1番 | ブラームス |
公演日時・会場
2026年5月24日、NHKホール
クリスティアン・テツラフ、ターニャ・テツラフ兄妹のブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ミヒャエル・ザンデルリンク

指揮者。ルツェルン交響楽団の首席指揮者。
1967年、ドイツのベルリン生まれ。
チェリストとしてライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席を務めた後、2000年に指揮者の道へ。
2011〜2019年はドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者。
クリスティアン・テツラフ ヴァイオリン

ヴァイオリニスト。1966年、ドイツのハンブルク生まれ。
ターニャ・テツラフ チェロ

チェリスト。クリスティアン・テツラフの妹。
ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団で首席奏者を務めて以来、兄テツラフらとの室内楽で活動している。
とりとめない曲である。
が。
冒頭のオーケストラの締まった響きで集中した。
そしてターニャ・テツラフのチェロ。
うゎーお!
“この世に角(かど)というものはない”と言わんばかりに音が無重力に開放されている。
膨らみ続けるマシュマロのようなふんわりと甘さもちょっとある感じ。
クリスティアン・テツラフのヴァイオリンはまっすぐに輝く金の音。
音質の違う2人は息遣いが同じ。
強弱、緩急、間が同じ。練習を積んだからといってこうはいかないのではないか。
DNAに違いない。
3楽章はおもしろいリズムで楽しみにした。
軽やかで弾むようだ。
甘いながらもボリューミーなターニャのチェロに。クリスティアンのヴァイオリンが「それいけ、やれいけ」的にリズミカルに挑み、さらにオーケストラが背後から盛り上げる。
ザンデルリンクは低弦をブンブン鳴らしそれでいて軽やかなリズムをターボで繰り出す。
クレッシェンド、デクレッシェンドがスピード感をもって強調されて、とりとめのない曲に命が吹き込まれたように感じた。
演奏:指揮:フリッチャイ (ヴァイオリン)Wolfgang Schneiderhan (チェロ)Pierre Fournier Berlin Radio Symphony Orchestra 録音: May-June, 1960
アンコールをやってくれた。
「コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 作品7-第3楽章から」
コダーイということで、やたらとすごい高度技術の塊の曲なのだなということはわかる。
それを難なく、変化に富んだ美しい曲として聴かせてくれた。
2人にかかったら楽器は生き物のよう。
小犬(ヴァイオリン)とセントバーナード(チェロ)をじゃれさせているような感じだった。
ブラームス(シェーンベルク編):ピアノ四重奏曲 第1番
つかみどころのない曲。
楽しげなミニメロディが散見されるのだが、まとまりがないというか”さび”がよくわからない、と思っていた。
とにかく、弦のきれいな重層感を楽しみにした。
ザンデルリンクはすごい。
テンポ、アクセント、タイミング、加速度をつけたクレッシェンド、それがちょっと早めというか”食い気味”に紡がれそれが推進力を生んでいる。
指示が明快で全員と完ぺきに打合せしたような感じだ。
聴かせどころがくっきり示され、聴きやすい。
3楽章から盛り上がりが始まる。
低弦の分厚く密度のある重低音が恐竜の雄たけびのような迫力。
骨太で大地の匂いがする。
4楽章はブラームスお得意のハンガリー舞曲風。
ぶんぶんである。
高速のところは超高速。ちょっと追いついていないかなと感じるところもあったが、爆発的ハーモニー、金管の破裂的音も最高。
2楽章、3楽章のオーボエソロはとてもよい音色であった。
今回、2曲ともずいぶん地味な選曲だと思っていたが大どんでん返しで、2曲とも好きな曲になった。

※アイキャッチ、人物写真はNHK交響楽団ウェブサイトより
