イーゴリ―公
ボロディン作曲の歌劇に『イーゴリ―公』があります。
イーゴリ―公は「キエフの大門」をつくったヤロスラフ王の玄孫です。

ウクライナの首都キエフは、歴史的にロシアの発祥です。キエフが重要な都市であったことは、作曲家がテーマにとりあげていることでわかります。その1つに。ムソルグスキー作曲『展覧会の絵』の1場面「キエフの大門」があります。ウクライナの賢公が設けた門です。
ルーシのおもな諸国(1054-1237年)
イーゴリ―公とポロヴェツ人の戦い
勢力争いには諸侯国に加え、周辺の遊牧民ポロヴェツ人も加わっていました。
このイーゴリ―公とポロヴェツ人の戦いを描いた物語が『イーゴリ軍記』です。
そして、この物語をもとにボロディンは『イーゴリ―公』を作曲したのです。
『韃靼人の踊り』
『イーゴリ―公』の中に特に有名な曲が『韃靼人の踊り』です。
原題は「Polovetsian Dances」で正式には「ポロヴェツの踊り」です。
ポロヴェッツはウクライナ周辺のテュルク系〔トルコ系の言語を話す突蕨(とつけつ)、ウイグルなど〕の遊牧民。
ポロヴェッツの他、モンゴル系などユーラシアの民族をひっくるめてタタール人といい、日本語で韃靼人と訳されます。
ボロディン作曲『イーゴリ―公』から『韃靼人の踊り』さび