モーツアルトのオペラ「魔笛」はフリーメイソンのための曲

フリーメイソンのシンボルマークの一つ

フリーメイソンとは

モーツアルトはフリーメイソンの会員であったことが知られています。
フリーメーソンは秘密結社的な組織で、秘密結社というと”謎に包まれた世界を裏で支配する正体不明の怪しい集団”といったイメージがあります。

ですが、秘密結社的なのは会則や儀式があって非公開な部分が多いというだけで、陰謀やオカルトの世界ではありません。

「自由・博愛・平等」の思想をもつ貴族や政治家、芸術家などさまざまな分野の有力者の交流の場でした。
当時は、権力者・貴族が支配する階級社会にたいして、国民の不満が高まっている時代で「自由・博愛・平等」の精神は進歩的な考え方でした。
ハイクラスの進歩人のサロンといったところでしょうか。

フリーメイソンは儀式がカルト的ということでローマ教皇から異端として取り締まられることもありました。

モーツアルトとフリーメイソン

モーツアルトは1784年、28歳の時にフリーメイソンに入会しました。
ですが、すでに11歳の時にフリーメイソンとかかわっていて、「歓喜に寄す」という曲を作曲しています。

モーツアルトは、生まれ育ったザルツブルク時代にフリーメイソンを取り締まったローマ教皇の次に偉い大司教のもとで宮廷音楽家として働いていましたが、大司教と馬が合わず、ウィーンに移りました。

ローマ教皇と合わなかったのもうなずけます。

オペラ「魔笛」の神殿はフリーメイソンのロッジ ザラストロは主宰者

オペラ「魔笛」は、古代エジプトの架空の世界が舞台で王子タミーノが捕らえられている「夜の女王」の娘タミーノを救出し結婚するという物語です。

娘タミーノを捕らえているのはザラストロ。ザラストロは司祭で「夜の女王」が悪い母親なので引き離して神殿に預かっているのです。

主人公タミーノはザラストロが与える数々の試練をクリアしタミーノとの結婚が認められます。
神殿はフリーメイソンのロッジ(本部)、神殿で待つ司祭ザラストロはロッジの主宰者を表しているとみられています。
“試練に耐えて晴れてフリーメイソンへの加入が認められる、個人の精神の崇高さ”が表現されているのです。

「魔笛」とは?

救出を依頼した「夜の女王」の侍女らがお守りとしてタミーノに渡したのが「魔法の笛」。「魔法の笛」の音で試練も乗り越えることができたのです。
「魔笛」というと悪魔の笛のイメージですが、オペラの内容からすると緊急事態を救ってくれる笛であり、ドイツ語「Zauberflöte」や英語「Magic Flute(英語)」の「魔法の笛」といったうほうがぴったりですね。

タミーノの冒険に同行するのが、鳥刺しのパパゲーノ。
パパゲーノが登場の時に歌うのがとっても楽しい曲「私は鳥刺し」です。

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モーツアルト オペラ「魔笛」第1幕より「私は鳥刺し」
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