亀井聖矢 ドナルド・ラニクルズ指揮 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団2026

曲目

作曲
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ベートーヴェン
交響曲第4番 ブラームス

公演日時・会場

2026年6月23日、ミューザ川崎シンフォニーホール

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

1楽章 ピアノ出だし、この曲はここにつきるわけである。

play_circle_filled
pause_circle_filled
  
volume_down
volume_up
volume_off

演奏:(ピアノ)アルフレッド・ブレンデル ズビン・メータ指揮 ウィーン交響楽団 1961年録音

“つぶつぶが転がり湧き出でるような感じが欲しい”といった妄想を起点にいうと、インパクトはもう一つであった。
オーケストラは、優しい。弦がソフトで繊細。
「皇帝」なので、ババーンとくるかとも予想したがそうではなく、偉そうでない洗練された皇帝であった。
亀井さんのピアノは小さく弱く速いところはとてもきれい。
なので、その相性はとてもよいと感じた。
2楽章 オーケストラの弦の美しさが際立つ。
精巧なニュアンスが組み上げられていて、毛並みの細かい絨毯を用意してピアノを待っていてあげているようだ。
木管がメインでピアノが伴奏的になる個所は、木管がちょっとぼんやりとしたように思った。
そして。
終盤から3楽章へ、もったいぶって入っていくところも楽しみにした。
絶妙な間がとられ素晴らしい!
亀井さんのピアノも元気があって、流麗に速弾きするところもなおよい。
オーケストラのフォルテは温かい。
ちょっとリズムをひっかけるところがあるが、そこは流さずくっきりとちょっと小技を仕掛けるようにアクセントを入れ、これがかっこよくて心拍数が上がった。

play_circle_filled
pause_circle_filled
  
volume_down
volume_up
volume_off

亀井さんは堂々と清い皇帝を披露してくれたが、亀井物語的なユニークさもあってもよかったのかなと思った。

亀井聖矢アンコール曲

シューベルト/リスト 鱒
こういった一般フレンドリーな選曲はうれしい。

ブラームス 交響曲第4番ホ短調

1楽章 たゆたっている。
4番は入りのリズムにそれぞれ特徴がでると思っているが、ラニクルズさんのリズムは大河だ。スメタナ わが祖国「モルダウ」な感じ。
ラニクルズはレフティー。左手に指揮棒をもってさざ波を起こすかのようにゆらゆらと身体を揺らしてリズムを伝えているようだった。
そこに優しい弦が乗ってきて、とてもいい。
2楽章 ホルンがメイン。
「皇帝」でちょっと音がどうなのかなと不安もよぎっていたが、ばっちり(よい意味で)飾りのないよい音であった。
ラニクルズの”拍”が細やかで独自。
えもいわれぬ美しさであった。
3楽章 景気よい楽しい楽章である。
一転して勢いよいスタート。
しかしフォルテもあくまで丁寧。
ゆったりのところはやはりたゆたっていて、その切り替えがアメイジング。
4楽章 4楽章はなんとなく停滞感が漂う印象をもっていた。
木管が静かに渡っていくところがどうも退屈なのだ。
だが、ラニクルズはパート一つ一つの表情をコントロールし楽器を引き立たせ、ああこのような魅力的な個所なのかと。
バックとなる弦のさざめきの効果もわかり、とても惹きつけられた。
フルートソロも太い音でよく響いた。
終盤、クライマックス。
弦が小爆発のようにブゥワッと唸りトロンボーンが上品に吠え、ティンパニが、バリっと決めるところは弾みがあり迫力満点。
メリハリにやられました。

オーケストラアンコール曲

ブラームス ハンガリー舞曲第5番
エネルギーの塊の演奏。
冴えわたったラニクルズの指揮棒からの緩急に意表をつかれ、最高でございました。

※アイキャッチ写真はチラシより

関連記事

  1. ベルリン・バロック・ゾリステン with樫本大進&ジョナサン・ケリー

  2. アミハイ・グロス ヴィオラコンチェルト with N響

  3. ベートーベン交響曲第1番のパトロンは

  4. ロシア国立交響楽団のチャイコフスキー

  5. パユ様 SOLO Vol.4

  6. トヨタ ウィーン・プレミアム・ コンサート ピアノソロは小菅優、コンサートマスターはフォルクハルト・シュトイデさん