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ファビオ・ルイージwith N響 メンデルスゾーン NHKホール 感想

ファビオ・ルイージwith N響 メンデルスゾーン

ファビオ・ルイージwith N響 メンデルスゾーン に行ってきた。

曲目は
メンデルスゾーン:「夏の夜の夢」の音楽-「序曲」「夜想曲」「スケルツォ」「結婚行進曲」
メンデルスゾーン:交響曲 第5番「宗教改革」

「夏の夜の夢」はフルートから始まるのだ

「序曲」第1声はフルート。会場にいる全員がフルートだけに耳を集中させる。これが3カ所ある。
本日は7割5分といったところか。
それがいい。それが生演奏の醍醐味なのだから。
「どうかな どうかな」とこちらも緊張してその時を迎え、「おおおおーーー」と思ったり「あああっっ」と思ったりするわけだ。
大谷翔平選手だって、よくて3割6分だ(すごい)。

そして小さく小さく小刻みでスピード感のあるヴァイオリンが本日の良き日を予感させるものだった。
中低音と拡がっていって弦が明るく溶け合っている。

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演奏:ピエール・モントゥー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1958年録音

「夜想曲」はホルンが聴かせてくれた。うるさすぎず伸びやか。ホルンを包み込むチェロ、コントラバスも柔らかく一体化していてうっとりだ。

「スケルツォ」。「夏の夜の夢」は原作シェークスピアの劇中曲ということで、夏の夜に妖精たちが集まってくる場面だそう。まさにちっちゃなちっちゃな速い動きの何かが、飛び交っているようなメルヘンなメロディー。
ビオラとチェロのメロディーのところがすっごくきれい。フルートに各パートからまっていくバランスもよございました。

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演奏:ピエール・モントゥー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1958年録音

「結婚行進曲」。劇中、なんやかやあった二組のカップルが結ばれる場面で演奏される。モノホンを初めて聞いたが、ほんとうによい曲。

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演奏:ピエール・モントゥー指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1958年録音

「結婚行進曲」は、もう一つ有名なクラシックの曲、ワーグナー作曲『婚礼の合唱』がある。オペラ『ローエングリン』第3幕第1場において歌われる曲。

全体、こきみよいテンポと気圧が高い感じの軽量感が心地よかった。

「宗教改革」したわりに深刻さがないのが いいね!

「宗教改革」は宗教改革祭用に作曲したものの採用に至らず、上演でも評判はよくなかった曲だということだ。
なぜ、こんなによい曲を? と思うが、もしかしたら威厳的な感じが不足していたからではないかと想像するほどに、深刻さのない他宗教の人間にも聞きやすい曲だ。
メンデルスゾーンの祖父はユダヤ教徒の哲学者だったが、迫害を避け父の代でキリスト教に改宗したとのこと。
改宗の葛藤うんぬんが関係しているかはさておき。メンデルスゾーンの落ち着きのないソワソワした陽気さがここでも発揮されている。

特に、2楽章が好きだ。
かわいらしく、元気。
フルート、オーボエ、弦が弾んで、ベースもノッていく。

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演奏:ロリン・マゼール指揮 ベルリンフィル 1961年1月録音

各楽章、ルイージのハンドパワーと全員との交信がうまく通い合って統制が効いた演奏だった。

The お手本の演奏という感じで、もう少しファビオ香料的な調合を盛り込んでもらってもよかったかなあと思った。

2024年5月18日NHKホール

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